信号対雑音比(読み)シンゴウタイザツオンヒ

デジタル大辞泉 「信号対雑音比」の意味・読み・例文・類語

しんごうたいざつおん‐ひ〔シンガウタイザツオン‐〕【信号対雑音比】

SN比

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「信号対雑音比」の意味・わかりやすい解説

信号対雑音比
しんごうたいざつおんひ

信号signalの量と雑音noiseの量の比。それぞれのイニシアルをとりSN比またはSと略称する。受信機や増幅器などの電気機器に信号を入力し、ある点から取り出す場合、SN比が大きいと信号は忠実に再現されるが、小さいと再現された信号はひずみや誤りを含み、忠実度は減少する。

 信号の量は普通、電圧波形の振幅を2乗平均して平方根をとった実効値で表す。一方雑音の量は、連続性雑音の場合は実効値、衝撃性雑音の場合は尖頭(せんとう)値で表す。これらの量の比であるSN比は、一般にデシベル単位で表される。テレビ信号のSN比のように、信号は尖頭値間の電圧をとり、雑音には実効値電圧を採用する場合、不明確さをなくすようにSp-p/NrmsとかSN比(P-P/rms)と表すこともある。SN比は、信号が通過する系の帯域幅の関数であることが多い。

 受信機で復調された信号のSN比は、受信機入力と復調器出力の間が振幅変調AM)のように線形(1対1の比例関係)であれば、雑音電力は受信機の雑音指数と帯域幅で決定されるため、入力信号の大きさだけで一義的に定まる。しかし、周波数変調FM)のように線形でない場合は、受信電力が一定限度以上であるとAMのSN比より改善できる。

 高忠実度(ハイファイ)であるためのSN比は、ラジオテープレコーダーなどは60デシベル以上、テレビでは52デシベル以上が望ましいとされている。

[若井 登]

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