倒るる所に土をつかむ(読み)たおるるところにつちをつかむ

故事成語を知る辞典 「倒るる所に土をつかむ」の解説

倒るる所に土をつかむ

欲が深く、どんな場合でも何か利益を得ようとすることのたとえ。

[使用例] 地頭は到るところの土をつかめ、という精神でしぼりとられては農民も笑ってすますわけに行かないが[坂口安吾*土の中からの話|1947]

[由来] 「今昔物語集―二八・三八」に載っているエピソードから。一〇世紀のこと、藤原のぶただという人物が、受領(現地に赴任して管理をする役人)として任国から帰ってくる途中、あやまって谷底へ落ちてしまいました。部下たちが生死を案じていると、かすかに呼ぶ声が聞こえます。そこで、を下ろすと手応えがあったので、引っ張り上げてみると、人間ではなくキノコが山ほど積まれていました。不審に思った部下たちが、もう一度、駕籠を下ろすと、今度は陳忠が乗っていて、「受領はたおるる所に土をつかめ(受領たるもの、倒れたときにはその場の土を自分のものにするくらい、利益に敏感でなければならない)」とうそぶいた、ということです。

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