備前大用水(読み)びぜんおおようすい

日本歴史地名大系 「備前大用水」の解説

備前大用水
びぜんおおようすい

坂根さかね用水ともよばれ、吉井川から左岸の現備前市坂根で取水幸島こうじま地区と邑久おく長船おさふね町・邑久町を潤す備前最大の灌漑用水路で、全長約一八キロ、灌漑面積約三五〇〇ヘクタール。

貞享元年(一六八四)岡山藩が開発した幸島新田の灌漑用水を確保するために、のちに開発される田原たわら用水などと同じく既存の水路を利用しながら、新水路をうがちつないだもので、津田永忠が指揮をとり貞享二年二月着工、同年中には竣工した。坂根村一口樋より福元ふくもと(現邑久町)床堤までは郡方、床堤より宿毛しゆくも村前掛樋まで(およそ六千二四間)は新田方分であった(邑久郡史)。坂根村から南下した用水は、福元村はま用水となって一部が分流したのち、千町せんちよう平野のほぼ中央部をさらに南へ流れ、同平野南部の丘陵に突き当った所で麓に沿って西へ向かい、丘陵の西麓を半円形に迂回し、そこで分流させて神崎かんざき村から邑久郷おくのごう村を経て東へ向かった後、南へ折れて東片岡ひがしかたおか村へ、さらに西流させて水門すいもん湾へ放流した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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