元城跡(読み)もとじようあと

日本歴史地名大系 「元城跡」の解説

元城跡
もとじようあと

[現在地名]八幡浜市五反田

五反田ごたんだ川の西岸の高さ約五〇メートルの小山にある。山頂に空堀の跡があり、南方殿摂津氏の本城と伝える。

宇和旧記」には「南方殿は、元来公家の御子孫にて、大和侍のよし、矢篦やの領主となり、知行の取初、磯崎いさき浦御下着、夫より五反田村元城へ御移り居城とし給ふといふ」とある。矢野保内やのほないの南部を領有したので、南方殿と称された。暦応四年(一三四一)八月七日の摂津親秀譲状(士林証文)に、惣領能直分「伊予国矢野保内八幡浜」、親憲分「伊予国矢野保内南方但八幡浜除之」とあり、これを「宇和旧記」などは南方殿の「祖先なるべし」と称するが確かなことはわからない(西宇和郡の→矢野保。また、同書には摂津実親・親安・親宗・仁蔵のち彦右衛門親興と系譜を記し、実親は萩森はぎもり城主宇都宮氏と戦って八幡浜で討死、親安は落城後仏門に入り、一安と称したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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