改訂新版 世界大百科事典 「元興寺伽藍縁起」の意味・わかりやすい解説 元興寺伽藍縁起 (がんごうじがらんえんぎ) 正しくは《元興寺伽藍縁起幷流記(るき)資財帳》といい,747年(天平19)に僧綱所へ提出した元興寺の縁起。仏教伝来の年を538年とし,それより推古朝に至るまで蘇我氏が仏教興隆に尽力したことを強調。建興寺(豊浦寺)の縁起を混淆する部分もあるが,古拙な文体で,国語研究にも貴重な文献。現行本は醍醐寺蔵の《諸寺縁起集》に収めるもので,1165年(永万1)僧慈俊が編集・考証し,〈資財帳〉の個所は略抄されている。執筆者:中井 真孝 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by