光ファイバ通信(読み)ひかりファイバつうしん(英語表記)optical fiber communication

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光ファイバ通信」の意味・わかりやすい解説

光ファイバ通信
ひかりファイバつうしん
optical fiber communication

光ファイバケーブルを用いて,高速・大容量の情報を伝える通信システム。ブロードバンド伝送とほぼ同義である。光ファイバ通信では,波長分割多重伝送 WDM,時分割多重伝送 TDMの採用により,電気信号よりもはるかに大容量の情報伝送が可能で,その速度は 10Gbps(ギガビット毎秒)以上,限界は 100Gbpsとされる。さらに,増幅なしでの中継距離は電気信号の十数倍(25km程度)で長距離・広域のネットワークを構築するのに適している。1970年代の林厳雄,モートン・パニッシュによる半導体レーザーと,アメリカ合衆国のガラス製造会社コーニングによる光ファイバの開発によって始まり,ネットワークへの利用は 1980年代後半以後に基幹系通信網で実用化され,21世紀に入って各企業や家庭などの末端まで普及が進んだ。光ファイバ通信が各企業や家庭まで届くようになったシステムを FTTHといい,扱われるサービスは,インターネット初期に確立した電子メールワールド・ワイド・ウェブ WWWの利用から,電子出版,音声,動画まで広がった。さらに動画はリアルタイム再生が可能なストリーム技術が使えるようになり,情報の提供・取得方法は従来出版・放送主体から大きく変化した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android