ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光学対掌体」の意味・わかりやすい解説 光学対掌体こうがくたいしょうたいoptical antipode 鏡像体ともいう。光学活性現象は原子の四面体配置または分子の形が互いに重ね合すことのできない構造をとることによって起る1対以上の異性体が存在するときに現れる。このとき一方の異性体を他方の対掌体であるという。互いに対掌体の関係にある分子は右手と左手の関係にあるため,この名がある。対掌体には不斉炭素原子に結合した原子または原子団の配列によるもの,分子不斉によるものなどがある。対掌体の等量混合物または化合物をラセミ体という。また結晶が物体とその鏡像の関係にあって互いに重ね合すことのできない像をエナンチオモーフィ (左右像) といい,結晶をエナンチオマーという。しかし有機化学ではエナンチオマーを対掌体の意味に使うことがある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by