化学辞典 第2版 「左右像」の解説
左右像
サユウゾウ
enantiomorph
結晶の32晶族のうち,回転軸のみの組合せからなる晶族に属する結晶形態をいう.従来,対称面や対称の中心をもたない晶族に属する結晶と説明されてきたが,この定義は不完全である.結晶面の位置によって左晶と右晶があるが,これらは互いに鏡面で映した関係にあって,左右重ね合わせることができない.これらの結晶は旋光性をもっている.この晶族に属する結晶でらせん軸をもったものは,右まわりらせんと左まわりらせんが存在する.不斉原子をもつ物質の結晶は左右像を与える.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報