朝日日本歴史人物事典 「光智」の解説
光智
生年:寛平6(894)
平安中期の華厳宗の僧。京都の人。俗姓は平氏。良緒に師事。東大寺五師を経て,天暦4(950)年同寺の別当となる。15年におよぶ在任中に,伽藍の修造と財源の確保に尽力した。「東大寺封戸荘園并寺用帳」を作成し,大仏殿の角木を取り換え,伊賀国(三重県)玉滝杣を東大寺領としたのは有名である。応和1(961)年,村上天皇の命で東大寺内に尊勝院を創建して御願寺とし,華厳宗の僧10人を置いて,華厳宗の拠点とした。この間,良く寺を治めたことから権律師とされ,のちに大僧都となった。<参考文献>永村真『中世東大寺の組織と経営』
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報