光浄院庭園(読み)こうじょういんていえん

国指定史跡ガイド 「光浄院庭園」の解説

こうじょういんていえん【光浄院庭園】


滋賀県大津市園城寺町にある庭園。三井寺(みいでら)の山内でもっとも格式の高い子院であり、室町時代に甲賀(こうか)郡の毛牧(もびら)村を本拠地とした地侍で、六角氏綱(ろっかくうじつな)の下で「江南旗頭」となり、瀬田城を守った山岡氏によって建立された光浄院の庭園。安土・桃山時代の豪華な建築で知られる客殿の前にあって、小規模ながら奥行きのある味わい深い構成は近江を代表する庭園といわれる。書院の縁の真下から池が始まり、足もとには満々と水がたたえられて東西に長く続き、亀島には自然石の橋が架けられている。対岸の枯れ滝を2個の立石で造り、池周辺を固める石組みはいずれも豪壮な自然石が使われている。敷地は広くないが、客殿と一体となって奥深さを巧みに表現している。現在の客殿は1601年(慶長6)に当時の住持だった山岡道阿弥(どうあみ)によって再建された書院造りで、桃山時代における書院の代表的建築として国宝に指定されている。1934年(昭和9)に国の名勝史跡に指定された。京阪電鉄石山坂本線三井寺駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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