公共工事の落札者が決まらないこと。狭義には応札する者がゼロであることをさし、広義には国や地方自治体が事前に定める予定価格を下回る額で落札を希望する業者がいないために「不落」となる入札案件もさす。2011年(平成23)3月の東日本大震災後には、被災地の復興工事で入札不調が相次いだ。これは、それまでの長引く不況のなか、公共工事縮減により多くの土木・建設業者が労働者、技術者を減らしていたところ、急激な需要増によって人件費が高騰したことが主因である。さらに、資材費や電気代などのコストが上昇したことも重なって、応札業者ゼロという案件が頻出した。入札不調を避けるためには、予定価格を計算する際の賃金基準や資材価格想定を見直して予定価格を引き上げるほか、不要不急の工事を延期するなどの調整を行うことが、効果的な対策となる。
[編集部]
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