日本歴史地名大系 「八勝寺跡」の解説 八勝寺跡はつしようじあと 熊本県:球磨郡湯前町湯前村八勝寺跡[現在地名]湯前町 東方浄心(じようしん)寺跡から東方へ約七〇〇メートルほど入った八勝寺山の麓に位置する。宗派は初めは不明だがのち真言宗。現在は阿弥陀堂のみが現存する。八聖寺とも八正寺とも記す。建立時期はつまびらかではないが、字上村の誓願(かみむらのせいがん)寺跡の阿弥陀堂に現存する鰐口銘に「久米八聖寺薬師如来願主上金于時文明十六天甲辰六月吉日」とあり、文明一六年(一四八四)以前の建立と思われる。また天文一六年(一五四七)一月二〇日、「御明三千灯 大并(ママ)百枚 懸餅二枚」が人吉の願成(がんじよう)寺住職真誉から八勝寺などに献灯されている(「真誉献灯立願文」願成寺文書)。阿弥陀堂内には阿弥陀如来立像・脇侍像・木造薬師如来立像・木造四天王立像があり、阿弥陀如来像の胎内銘によると、享保一五年(一七三〇)に阿弥陀三尊が再興されている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by