八尾城跡(読み)やおじようあと

日本歴史地名大系 「八尾城跡」の解説

八尾城跡
やおじようあと

旧大和川の本流長瀬ながせ川の右岸沿いにあった中世の城跡。跡地は確認されておらず、八尾八ヵ村のうち北端の旧西郷さいごう常光じようこう寺付近にあったという説と、南端の旧八尾座やおざ村付近にあったとする説とがある。前者は「中河内郡誌」「八尾市史」、後者は「大阪府誌」「大阪府全志」などが主張する。

八尾城は建武四年(一三三七)八月日の土屋宗直軍忠状(土屋文書)に「去七月四日夜東条凶徒等寄来八尾城之時、不惜身命致合戦追払凶徒畢」とみえるのが早い。当時八尾城には河内伊香賀いかが(現枚方市)の地頭土屋宗直らの北朝勢が詰めていた。それを石川東条に本拠をもつ南朝勢が攻めたことをいう。同年一〇月五日にも南朝勢が八尾城を攻めた。同年一一月日の土屋宗直軍忠状(同文書)には「去十月五日東条凶徒等寄来八尾城、打巻四方城内之堂舎仏閣矢蔵役所等以火矢殊被焼失、為当番衆殊以不惜身命抽軍忠追払凶徒了」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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