八幡野村(読み)やわたのむら

日本歴史地名大系 「八幡野村」の解説

八幡野村
やわたのむら

[現在地名]伊東市八幡野

東は相模灘に面し、富戸ふと村の南に位置しているが、陸路は北の吉田よしだ村から当村を通って下田まで東浦ひがしうら路が貫いている。西に向かう大見おおみ街道の分岐点。岩波版「曾我物語」巻一に八幡山がみえる。伊東祐親親子の命をねらい大見小藤太・八幡三郎が身を潜めた場所は「奥野の口、赤沢山の麓、八幡山の境にある切所」とあり、この八幡山が祐親の子で曾我兄弟の父である河津三郎祐泰が射殺された場所である。現在祐泰の血塚と伝えられる石積塚と宝篋印塔が残る。北条氏所領役帳によれば、北条家臣河越衆大道寺周勝の所領として八〇貫文「吉田・八幡野」とある。永禄七年(一五六四)赤沢あかざわと八幡野の百姓が境相論を起こし、八幡野百姓の主張のとおり境に埋めた炭が掘出され、北条氏によって境界が確認されている(同年一二月二八日「北条家朱印状写」肥田氏由緒書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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