八方ヶ岳(読み)やほうがたけ

日本歴史地名大系 「八方ヶ岳」の解説

八方ヶ岳
やほうがたけ

菊池市北方、鹿本かもと菊鹿きくか町との境界にある。「菊池風土記」に「箭筈嶽又八方嶽と云」とある。標高一〇五一・八メートル。東半は菊池市、西半は菊鹿町に属し、北裾は大分県日田ひた郡に接する。急崖の多い山腹と緩やかな頂上部が特色で、山名はどこから眺めても山容が同じことからという。「国誌」に「筈嶽トモ云郡中ノ鎮山、八面一様ノ看ヲ為ス、高山ニテ猛獣多シ」とある。建武三年(一三三六)九月三日、小代重峯らは菊池に攻め入り、「菊池寺尾野・盤闍久・虎口・穴河城」などを陥れている(同月一八日「小代重峯軍忠状」小代文書)が、これらの諸城は八方ヶ岳麓に位置していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八方ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

八方ヶ岳
やほうがたけ

熊本県北部,菊池市の北西部にある山。八方から同じ形に見えるところから名づけられたという。標高 1052m。頂上部は古琉球火山帯に属する安山岩質で,基部は花崗岩類から成る。山体は激しい浸食作用を受け放射状に尾根と谷が発達し,ごつごつした山容をなす。

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