日本大百科全書(ニッポニカ) 「公主嶺」の意味・わかりやすい解説
公主嶺
こうしゅれい / コンチューリン
中国、吉林(きつりん)省中部にある県級市。松花江(しょうかこう)、遼河(りょうが)の分水域に位置する。1985年旧懐徳(かいとく)県が市制を施行して公主嶺市となった。四平(しへい)地級市に属する。常住人口108万2266(2010)。市政府所在地は東三街道。農業が盛んで、大豆、コウリャン、アズキ、トウモロコシ、アワ、小麦、米、テンサイなどを産する。長春(ちょうしゅん)の南西約50キロメートル、東遼河の北岸に位置し、京哈(けいは)線が通じる。19世紀にロシアが軍事上、経済上の目的で、約666ヘクタールの壮大な東支鉄道付属地を区画し、駅、兵舎、病院、教会、ホテル、住宅、農業試験場を建設した地として知られる。農業試験場は200ヘクタールあり、満鉄(南満州鉄道株式会社)の経営を経て現在は吉林省農業科学院となっている。
[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]