中国、東北地区南部を流れる大河。全長1430キロメートル。流域面積19万2000平方キロメートル。源流は東西二つあり、東遼河、西遼河とよばれる。東遼河は吉林(きつりん/チーリン)省遼源(りょうげん)市の哈達嶺(はたれい)に発し、西遼河はさらに源流が南北の二つに分かれ、北源のシャルモロン川は内モンゴル自治区東部ヘシグテン旗(県級行政区)南西の白岔(はくた)山に発源し、主流である南源のラオハ河は河北省平泉の光頭山に源を発する。南北の両源流は内モンゴル自治区の開魯(かいろ)東方で合流して西遼河となり、通遼を経て東流する。双遼より南下し、遼寧(りょうねい/リヤオニン)省昌図(しょうと)県古楡樹(こゆじゅ)付近で東遼河と合流、ここから遼河とよばれる。遼河はさらに南下して鉄嶺(てつれい)を経て南西に流れ、新民を通過し遼中の六間房(ろくかんぼう)付近に至る。以前はここから南流し営口(えいこう/インコウ)付近で海に流出していたが、1958年の改修により、現在は西方の盤山を経て双台子(そうだいし)河の河道を通り海に注いでいる。ただし撫順(ぶじゅん/フーシュン)を経て流下する渾河(こんが)と本渓(ほんけい/ペンシー)を経て西流する太子河の二大支流は、いまも遼河の旧河道を流れ営口で海に注ぐ。河道が屈曲し含泥量が多く流量の変化が激しいので、解放前はよく水害を起こしたが、改修されて水害はほぼ解消した。本・支流とも多くのダムが建設されている。冬季には4か月間凍結する。六間房より下流は舟運に利用され、また下流部に遼河油田がある。河口部の盤山と錦州(きんしゅう/チンチョウ)の間は排水工事が完成し開墾が進んでいる(盤錦墾区)。
[河野通博]
中国,東北地区南部の大河。東北平原の南半はその流域の大部分にあたるので遼河平原ともいわれる。上流は東遼河と西遼河の2源に分かれる。東遼河は吉林省東遼県薩哈嶺に発源し,西遼河の上流はさらに二つに分かれ,北源のシラムレン(西拉木倫)河は内モンゴル自治区克什克騰旗南西の白岔山から流れ出ており,南源の老哈河は河北省平泉県の光頭山に源を発する。東遼河と西遼河とは遼寧省昌図県古楡樹付近で合流するが,これより下流がはじめて遼河と称せられる。全長1390km,流域面積は22万8960km2。下流部ははげしく蛇行しつつ,営口市で渤海の遼東湾に注いでいたが,1958年にコースを変え,遼中県六間房付近から西に向かい,盤山県で双台子河となって海に入るようになった。流路が曲がりくねっているうえに,西遼河から多量の土砂が流下し,解放前には水害がはげしかった。解放後河口のデルタが干拓され,盤錦開墾区が造成され,上中流の治水が進み,莫力廟等のダムも建設された。冬には4ヵ月間結氷するが,それ以外の時期には六間房より下流は船を通じる。
執筆者:河野 通博
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