公害測定機器(読み)こうがいそくていきき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公害測定機器」の意味・わかりやすい解説

公害測定機器
こうがいそくていきき

公害防止をはかるため,公害原因を的確に計測し,環境基準を絶えず観測するために使用される計測機器の総称大気汚染水質汚濁土壌汚染悪臭振動騒音と,公害が多岐にわたるに伴い,きわめて広範な計測機,測定機が動員される。比較的専用機種に近いものは,硫黄酸化物や一酸化窒素,一酸化炭素硫化水素など有害成分を連続的に分析し計測する自動連続分析計,騒音計,それに浮遊粉塵の量を連続的に計測する粉塵計などが中心である。それぞれの分析原理は物理,化学両領域にわたる独特の方法を採用しており,内蔵した分析メカニズムが表示機構につながるようになっている。今後,2次的汚染物質解明,環境中の汚染物質の挙動の解明,また発生源の常時監視,さらには総量規制の実施,それぞれに測定機器の開発が決定的な要因となるため,一層の開発が望まれる。なお測定分析の精度を向上させ,分析の信頼性を高めるためには,測定機器の開発とともに分析の前処理や機器使用の技術など,分析技能の向上などが求められており,環境省は環境測定分析統一精度管理調査を毎年実施している。

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