公開外交(読み)こうかいがいこう(その他表記)open diplomacy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公開外交」の意味・わかりやすい解説

公開外交
こうかいがいこう
open diplomacy

秘密外交の反対語で,第1次世界大戦の戦後処理に際し,アメリカの W.ウィルソン大統領の十四ヵ条平和構想冒頭に表明されてから広くいわれるようになった。すなわち,「公然と成立した条約以外にいかなる私的な密約もあってはならない。外交は常に公明に,かつ公の監視のもとに行われるべきである」という思想である。外交の機能が行政府の権能に属し,かつ外交交渉が秘密を要することは広く認められているところであるが,国の運命にかかわる重大決定が少数者の専断や秘密の協議のみで行われることは民主主義原理に反する。それゆえ,いかなる民主主義国の憲法も,外交交渉の結果を公開し,議会による検討の機会を与えるべきことを定めている。

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世界大百科事典(旧版)内の公開外交の言及

【外交】より

…〈新しい外交〉をもたらした要因の第一は,一般国民の国際問題への関心が増大し,国際関係の処理は一部の政治指導者や職業外交官,軍人のみに任せてはおけぬという風潮が生まれたためであろう。それはたとえば,〈公開外交〉ということで具体化される。交渉の結果成立した協定や条約の内容を国民に知らせることが一般化し,また他国との交渉に臨むにあたって,政府の基本的立場を国民に示し,その支持と理解がもとめられる。…

※「公開外交」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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