日本歴史地名大系 「六ヵ村用水」の解説 六ヵ村用水ろつかそんようすい 栃木県:下都賀郡大平町六ヵ村用水永野(ながの)川より取水した近世の灌漑用水。同川上流の平井(ひらい)村(現栃木市)にある二杉(ふたすぎ)に大口(おおぐち)堰を設け、その下流筋に和田山(わだやま)堰を設けて取水し、現町域の下皆川(しもみながわ)村・富田(とみだ)村、現岩舟(いわふね)町の古橋(ふるはし)村・沖島(おきのしま)村・赤塚(あかつか)村・曲之島(まがのしま)村の六ヵ村を潤した。当用水をめぐっては何度か相論が起きている。宝暦一二年(一七六二)の裁許状請書(栃木市史)によれば、二つの取水堰の普請をめぐって下皆川村をほかの五村が訴えている。文化四年(一八〇七)には洪水で大破した和田山堰に代わって、もう少し上流に新設したが、平井村の畑地をつぶして用水堀を普請しなければならなかったため、同村に金六両を払ったほか、用水堀に橋を架けるなどした(「議定取替一札」大久保右次文書)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by