日本大百科全書(ニッポニカ) 「和田山」の意味・わかりやすい解説
和田山
わだやま
兵庫県中北部、朝来郡(あさごぐん)にあった旧町名(和田山町(ちょう))。現在は朝来市の北端部を占める一地区。旧和田山町は1930年(昭和5)枚田(ひらた)村が町制施行して成立。1955年(昭和30)東河(とが)村、56年南但(なんたん)、竹田の2町と合併。2005年(平成17)朝来、生野(いくの)、山東(さんとう)の3町と合併、市制施行して朝来市となる。円山川(まるやまがわ)の上流域で、JR山陰本線と播但線(ばんたんせん)、国道9号と312号の分岐点に発達し、南但馬(たじま)の政治の中心地。2000年播但連絡道路が開通した。耕地は圃場(ほじょう)整備が完成し、肉牛、乳牛の多頭飼育や養鶏も盛ん。1993年には県立農業技術センターが開設された。伝統的な竹田の木工家具、大蔵(おおくら)の金属バネのほか、工業団地が造成され、近代工業の誘致もある。中世の代表的な山城(やまじろ)遺構の竹田城跡(国の史跡)、赤淵(あかぶち)神社の室町時代の本殿(国の重要文化財)、糸井の大カツラ(国の天然記念物)がある。
[大槻 守]
『『和田山町史 上巻』(2004・和田山町)』