岩出(読み)イワデ

デジタル大辞泉 「岩出」の意味・読み・例文・類語

いわで〔いはで〕【岩出】

和歌山県北部にある市。平成18年(2006)4月市制。大阪市のベッドタウン化が進む。人口5.3万人(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩出」の意味・わかりやすい解説

岩出(市)
いわで

和歌山県北西部にある市。1908年(明治41)町制施行。1956年(昭和31)山崎、根来(ねごろ)、上岩出の3村および小倉村の一部と合併。2006年(平成18)市制施行。中世には石手(いわで)と記されるが、1726年(享保11)から岩出と定めた。和泉(いずみ)山脈南麓(なんろく)から紀の川に注ぐ住吉(すみよし)川などの小支流が形成した複合扇状地の上にある。JR和歌山線がここで紀の川を渡り、国道24号が通じる。京奈和自動車道の岩出根来インターチェンジがある。中心の岩出地区は旧伊勢(いせ)(大和(やまと))街道の渡津(としん)で、藩の伝馬所(てんまじょ)が置かれ、また宮(みや)と六箇(ろっか)の堰(せき)がつくられた所で、現在は岩出頭首工(とうしゅこう)(岩出統合井堰)がある。花卉(かき)・野菜類の栽培が盛ん。近年では住宅地化が進み、1960年以降人口が増加している。和泉山麓を古代の南海道が通り、西国分塔跡(国指定史跡)や式内社荒田神社がある。北部山麓の新義真言宗総本山の根来寺は中世覚鑁上人(かくばんしょうにん)の開基で、一帯はその荘園(しょうえん)であった。国宝多宝塔などがあり、庭園は国指定名勝。国指定重要文化財の増田家住宅は1706年(宝永3)建築大庄屋(おおじょうや)住宅である。面積38.51平方キロメートル、人口5万3967(2020)。

[小池洋一]

『『岩出町誌』(1976・岩出町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「岩出」の意味・わかりやすい解説

岩出[市] (いわで)

和歌山県北端の市。2006年4月市制。人口5万2882(2010)。北は大阪府,西から南は和歌山市に接する。紀ノ川下流域に位置し,南半は和歌山平野の沖積低地が,北半は和泉山脈山地が占める。古くから開けた地で,船戸に6世紀築造の船戸山古墳群があり,西国分には白鳳~奈良時代の寺院跡西国分廃寺跡(塔跡は史跡)がある。平安末期には町の北部の石手(いわで)荘に新義真言宗の開祖覚鑁(かくばん)が根来(ねごろ)寺を開き,室町~戦国末期にかけて根来衆が射撃や鍛冶の技術に優れた武装集団として活躍した。かつては大和街道の渡河点に当たり,紀ノ川北岸の岩出と南岸の船戸は対向渡津集落をなした。古くからの穀倉地帯であるが,現在はカーネーション,野菜栽培などの都市近郊農業が盛んで,和歌山市や大阪府下のベッドタウン化も進み,1965-80年の間に人口が倍増した。JR和歌山線,国道24号線が通る。北東部は紀仙郷県立自然公園の指定区域で,根来寺の庭園は国の名勝,多宝塔は国宝に指定され,1706年(宝永3)に建てられた大庄屋の住宅増田家住宅は重要文化財。
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百科事典マイペディア 「岩出」の意味・わかりやすい解説

岩出[町]【いわで】

和歌山県北部,那賀(なが)郡の旧町。南部は紀ノ川の穀倉地帯で,温室などによるカーネーションの栽培も盛ん。主集落は紀ノ川渡河の要地として発達,和歌山線が通じる。2006年4月,単独市制し岩出市となる。38.50km2。4万9624人(2003)。

岩出[市]【いわで】

和歌山県北部に位置する市。北は大阪府,西は和歌山市に接し,市南部を紀ノ川が西流する。2006年4月,那賀郡岩出町が単独市制。JR阪和線,和歌山線,阪和自動車道,国道24号線が通じる。38.51km2。5万2882人(2010)。

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