共同作業所(読み)きょうどうさぎょうしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共同作業所」の意味・わかりやすい解説

共同作業所
きょうどうさぎょうしょ

成人期障害者による就労などの地域生活を支援するための施設。小規模授産所福祉作業所職業実習所などさまざまな呼称がある。障害種別をこえて,障害者の働く権利,文化的に生活する権利,社会活動に参加する権利をみずからの手で守ることを目的とする。法定外事業であるため公的援助は少なく,障害者の家族やボランティアにより地域ぐるみで運営される場合が多い。1969年,全国で初めて愛知県名古屋市に「ゆたか共同作業所」が開設されて以来各地に増え,1977年に 16ヵ所の共同作業所によって全国組織である共同作業所全国連絡会(きょうされん)が結成された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「共同作業所」の意味・わかりやすい解説

共同作業所【きょうどうさぎょうしょ】

法的に障害者授産施設の諸基準を満たさないために,国の助成制度を受けられないが,障害者,親,職員等が共同で働く場をつくり,自主的に運営しているもの。国に代わって多く自治体でこれらの事業に助成を行っている例がみられ,小規模授産所,福祉作業所,職業実習所等の名称で呼ばれたりしている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の共同作業所の言及

【授産所】より

…授産施設の利用を通じて自営業者として独立したり一般の就職に転じることが現実には困難であるため,授産施設の利用期間は長期化しがちであるが,就労継続や昇給が保障されず,健康保険・年金の適用がないなど,利用者にとっての問題が多くあげられる。 現在,授産施設としては,生活保護法による授産施設,社会福祉事業法による授産施設,身体障害者福祉法による身体障害者授産施設および重度身体障害者収容施設ならびに身体障害者福祉工場,精神薄弱者福祉法による精神薄弱者授産施設(収容,通所)など,4種の法律に基づく7種の施設があり,ほかに法外援護事業として,地方自治体が独自に設置する通所施設や自主団体による共同作業所などの類似の施設がある。また,授産施設において指導員の指導のもとに作業を行う通常の場内授産のほか,通所困難な利用者に対して家庭で材料の支給や製品の回収を行う家庭授産も近年制度化されている。…

※「共同作業所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android