内三院(読み)ないさんいん(その他表記)Nei-san-yuan; Nei-san-yüan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内三院」の意味・わかりやすい解説

内三院
ないさんいん
Nei-san-yuan; Nei-san-yüan

中国,清初の中央官制。第2代皇帝太宗が清朝建国にあたり,中央集権的政治体制を展開しようとして,それまでは文館においてベイレ (貝勒) と呼ばれる有力貴族の合議制で政治が行われていたのに代えて崇徳1 (1636) 年に内三院を設置した。内三院は内国史院,内秘書院,内弘文院から成る。内国史院は皇帝の起居詔令の記注,実録などの編纂祭祀の祝文や印文などの作成にあたり,内秘書院は対外文書や勅書などを作成し,内弘文院は歴代の政治の是非を弁じて進講することなどを担当した。順治 15 (58) 年明の政治制度を踏襲して内三院を内閣に改めたが,同 18年に再び内三院を復活し,康煕9 (70) 年再び廃止し,内閣がこれに代った。

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世界大百科事典(旧版)内の内三院の言及

【清】より

…ホンタイジの時代には,満州八旗のほかにモンゴル八旗,漢軍八旗が増設されてあわせて24旗となったが,モンゴルと漢軍の16旗は皇帝に直属した。 ホンタイジは皇帝権力を強化するためもあって,漢人重視の政策をとり,八旗制度とは別に,漢人統治機構として内三院,六部,都察院などの中国式官僚制度を取り入れた。内三院は初め文館とよぶ簡単なものを国史院,秘書院,宏文院の3院に拡張したもので,入関後,中国式そのままに内閣翰林院に改めた。…

※「内三院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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