複数の自然人によって構成される行政機関で、合議によってその意思が決定されるものをさす。行政組織は、一般に行政責任、行政能率、行政機密などを確保するために独任制の階等制によって構成されるが、行政の民主化、行政事務の慎重な処理、公正中立性などの要請にこたえ、官僚主義を打破するために、日本では第二次世界大戦後この合議制行政機関が多く設置されるようになった。合議制行政機関は、その権限の性質により、行政庁たる合議制機関(各種行政委員会)、参与機関たる合議制機関(皇室会議、検察官適格審査会、電波監理審議会など)、および諮問機関たる合議制機関(参与機関たるものを除いた各種審議会、調査会など)に分かれる。裁判手続上、裁判所を複数の裁判官をもって構成する場合も合議制といわれ、最高裁判所、高等裁判所および一定の重要事件についての地方裁判所は、合議制により審理、裁判される。
[市橋克哉]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…このような特別な身分保障がある結果,裁判官は,国家公務員法上,人事院の管理に属さない特別職の国家公務員とされ,給与面においても,一般職の公務員に比べて優遇されている。
[裁判官の職務執行]
裁判官は,裁判所という機関(訴訟法上の意味の裁判所)を構成して,事件の裁判を行うが,複数の裁判官で一つの裁判所(合議体)を構成する合議制と,1人の裁判官が単独で裁判所となる単独制とがある。ただし,判事補は,単独で裁判することは原則としてできず(例外は民事訴訟法123条,刑事訴訟法45条,少年法4条等),合議体の裁判長になることもできず,また,同時に2名以上が合議体に加わることもできない(裁判所法27条2項)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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