合議制(読み)ゴウギセイ

デジタル大辞泉 「合議制」の意味・読み・例文・類語

ごうぎ‐せい〔ガフギ‐〕【合議制】

合議によって物事を決定する制度
行政機関意思複数の構成員の合議によって決定される制度。⇔独任制
裁判などで、複数の裁判官合議体で審判する制度。⇔単独制

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精選版 日本国語大辞典 「合議制」の意味・読み・例文・類語

ごうぎ‐せいガフギ‥【合議制】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 合議によって意思を決める制度。
    1. [初出の実例]「総裁専制を改めて合議制とする事を発議し」(出典:報知新聞‐明治三六年(1903)六月六日)
  3. 行政機関の意思が複数の構成員の合議によって決定される制度。⇔単独制独任制
  4. 訴訟またはこれに準じる手続きにおいて、合議によって裁断を下す制度。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「合議制」の意味・わかりやすい解説

合議制
ごうぎせい

複数の自然人によって構成される行政機関で、合議によってその意思が決定されるものをさす。行政組織は、一般に行政責任、行政能率、行政機密などを確保するために独任制の階等制によって構成されるが、行政の民主化、行政事務の慎重な処理、公正中立性などの要請にこたえ、官僚主義を打破するために、日本では第二次世界大戦後この合議制行政機関が多く設置されるようになった。合議制行政機関は、その権限性質により、行政庁たる合議制機関(各種行政委員会)、参与機関たる合議制機関(皇室会議検察官適格審査会電波監理審議会など)、および諮問機関たる合議制機関(参与機関たるものを除いた各種審議会、調査会など)に分かれる。裁判手続上、裁判所を複数の裁判官をもって構成する場合も合議制といわれ、最高裁判所、高等裁判所および一定の重要事件についての地方裁判所は、合議制により審理、裁判される。

[市橋克哉]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合議制」の意味・わかりやすい解説

合議制
ごうぎせい

一般には2人以上の合議によって意思決定を行う制度をいい,最終権限を単独者にゆだねる独任制と対比して用いられる。合議制は行政の民主化の促進や官僚主義化の排除に役立つという利点をもつ反面,責任の不明確化,非能率などの欠点を伴いがちである。普通は独任制を原則とし,処分の公平や行政の中立性を確保する必要があるときに,合議制が採用される。人事院,公正取引委員会,中央労働委員会などが合議制機関である。合議制の機関はその職権行使について独立しているのが原則である。

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世界大百科事典(旧版)内の合議制の言及

【裁判官】より

…このような特別な身分保障がある結果,裁判官は,国家公務員法上,人事院の管理に属さない特別職の国家公務員とされ,給与面においても,一般職の公務員に比べて優遇されている。
[裁判官の職務執行]
 裁判官は,裁判所という機関(訴訟法上の意味の裁判所)を構成して,事件の裁判を行うが,複数の裁判官で一つの裁判所(合議体)を構成する合議制と,1人の裁判官が単独で裁判所となる単独制とがある。ただし,判事補は,単独で裁判することは原則としてできず(例外は民事訴訟法123条,刑事訴訟法45条,少年法4条等),合議体の裁判長になることもできず,また,同時に2名以上が合議体に加わることもできない(裁判所法27条2項)。…

※「合議制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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