起居(読み)ききょ

精選版 日本国語大辞典 「起居」の意味・読み・例文・類語

き‐きょ【起居】

〘名〙
① 立ったり、すわったりすること。立ち居ふるまい。転じて、日常生活
正倉院文書‐天平宝字五年(761)正月一五日・十市倭麻呂解「右以今月十三日得腰病、不便起居
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「巣鴨の病院に起居してゐる」 〔書経‐冏命〕
② ふだんのようす。動静安否
霊異記(810‐824)上「謁(つか)へまつらずして恋ひ思ふこと間(ひま)無し。起居安きや否(いな)や」 〔春秋左伝注‐昭公二五年〕
③ 御機嫌を伺うこと。
※蕉堅藁(1403)「送桂上人帰旧隠居諸昆
④ 起きていること。起き上がっていること。
史記抄(1477)一七「ちゃっとしめうとすれどもしめられぬ処で、我性の急なる処を、起居に自戒めんとてぞ」

おき‐・いる ‥ゐる【起居】

〘自ア上一(ワ上一)〙 起きている。起きてすわる。起き直る。「起き」は、和歌では「置き」とかけて用いられることがある。
万葉(8C後)一〇・二三一〇「こほろぎの吾が床のへに鳴きつつもとな起居(おきゐ)つつ君に恋ふるに寝(いね)かてなくに」

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デジタル大辞泉 「起居」の意味・読み・例文・類語

き‐きょ【起居】

[名](スル)
立ったり座ったりすること。立ち居。「起居進退」
日常の生活。起き伏し。「起居を共にする」「仮宿舎に起居する」
ふだんのようす。動静。「書簡起居安否を問う」
[類語](1立ち居振る舞い立ち振る舞い行住坐臥挙措/(2生活暮らし世渡り渡世とせい処世しょせい寝食しんしょく寝起き衣食住生きる食べる暮らすやっていく食う口をのりする

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普及版 字通 「起居」の読み・字形・画数・意味

【起居】ききよ

おきふし。安否。〔世説新語言語(和)~(と)りて曰く、王光祿(含)言をけ、王導)塵を路り、群下からず。體の居何如を審(つまび)らかにせず。

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