日本大百科全書(ニッポニカ) 「内鼻孔魚類」の意味・わかりやすい解説
内鼻孔魚類
ないびこうぎょるい
choanichthyes
魚類のなかで、内鼻孔が口腔(こうこう)または咽頭(いんとう)に開く種類に与えられていた一群の名称であるが、現在はほとんど使われていない。現在の肉鰭類(にくきるい)に相当する。これらの魚類は古生代から中生代にかけて陸上に進出しようとしたグループで、うきぶくろが肺に変化し、空気を呼吸することと関連して内鼻孔をもつようになった。また、胸びれや腹びれが葉状の原鰭(げんき)となり、これで歩行できることなど、古生代の魚類の特徴を現在も保持していることで魚類学上貴重な存在である。現生の肉鰭類(内鼻孔魚類)は肺魚類、シーラカンスなど種類が少なく、分布域も局限されている。
[落合 明・尼岡邦夫]
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