円乗院遺跡(読み)えんじよういんいせき

日本歴史地名大系 「円乗院遺跡」の解説

円乗院遺跡
えんじよういんいせき

[現在地名]世田谷区代田一丁目

北沢きたざわ川に南面する標高約三五―四〇メートルの丘陵には旧石器時代から弥生時代にかけての遺跡が点在する。当遺跡は昭和三年(一九二八)に調査され、弥生時代後期竪穴住居跡が三例と、それに伴って土器が出土した。しかし遺跡は円乗院の墓地の拡張で破壊されてしまった。当遺跡から出土した土器は三類に分けてその推移が示され、土器編年の「円乗院式」が設定されたことで注目された。一類は弥生町期の古いもの、二類は弥生町期の終末のもの、つまり前野町期の直前のもの、三類は前野町期以降のものとされ、南関東の後期の土器を久ヶ原期(I・II・III)、弥生町期(I・II・III)、前野町期(I)に分け、円乗院式は弥生町IIIとされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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