円座保(読み)えんざほ

日本歴史地名大系 「円座保」の解説

円座保
えんざほ

近世の円座村を遺称地とし、香東こうとう川左岸の現円座町一帯に比定される。讃岐国の特産物で、「延喜式」に交易雑物としてみえる菅円座を貢進するために便補された保。文永九年(一二七二)正月一五日の後嵯峨院処分帳(後嵯峨院御文類)准后分の一つとして「讃岐国円座保一期可有知行」とみえる。なお「吉続記」同八年正月一一日条に「円座自讃岐国進之、件保准后御知行之間、兼申女房云々」とあり、後嵯峨院による譲与以前から、当保は准后とよばれた人物により知行されていた。この准后は嘉元四年(一三〇六)の昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)の讃岐国内の公領を書上げた箇所に「円座保京極准后 定氏卿知行」とみえる京極准后のことで、後嵯峨天皇典侍でその皇子鎌倉将軍宗尊親王を生んだ平棟基娘棟子である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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