円通寺遺跡(読み)えんつうじいせき

日本歴史地名大系 「円通寺遺跡」の解説

円通寺遺跡
えんつうじいせき

[現在地名]三好町足代

阿讃山脈より南流する黒川原谷くろがわらだに川・馬来谷うまきだに川などの小河川により形成された扇状地上から吉野川に面した標高約九〇メートルの河岸段丘上にかけて広がる弥生時代―室町時代にわたる複合遺跡。足代の円通寺あしろのえんつうじ西内にしうち(円通寺地区)やなぎつぼ(柳ノ坪地区)小山こやま(小山地区)にかけて広がる広大な遺跡で、遺跡名の由来となった円通寺は文明二年(一四七〇)に焼亡したと伝える。小山地区で確認された鎌倉・室町時代の城館跡(小山段ノ城跡)は県内で初めて中世城館の規模や構造を広範囲に明らかにしたことで注目される。昭和五三年(一九七八)吉野川北岸農業用水の建設に伴い円通寺地区の発掘調査が行われた結果、弥生後期初頭の竪穴住居跡一軒と鎌倉時代の集落跡が検出された。翌五四年には小原こばら地区が調査され、中世のものと考えられる炭焼窯六基を検出している。

平成八―九年(一九九六―九七)には四国縦貫自動車道建設に伴う調査が行われた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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