足代(読み)あししろ

精選版 日本国語大辞典 「足代」の意味・読み・例文・類語

あし‐しろ【足代】

〘名〙
今昔(1120頃か)一九「半作の家なれば、足代と云ふ物に上に大きなる木共(ども)横様に結(ゆひ)付て置たりけるが」
俳諧鶉衣(1727‐79)後「煙草箱は枕となるべく、頭巾に酒は漉(こ)さずとも、火燵(こたつ)やぐらは足代に足りぬべし」
※日蓮遺文‐中陰書(1280)「仏一切経を説き給ひし事は法華経を説かせ給はんための足代也」

あ‐しろ【足代】

看聞御記‐応永二八年(1421)一一月二三日「抑八幡鳥居造営、為足代当国木共被点云々」

あし‐だい【足代】

〘名〙 外出通勤などの乗り物にかかる費用交通費車代
普賢(1936)〈石川淳〉七「足代が尽きたんぢゃないのか。そのくらゐならあるよ」

あじろ【足代】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「足代」の意味・読み・例文・類語

あし‐だい【足代】

外出のとき乗り物にかかる費用。交通費。「足代がかかる」
[類語]交通費車代運賃旅費路用路銀草鞋銭わらじせん

あし‐しろ【足代】

足場1」に同じ。
「―と云ふ物に…木どもを横様にひ付けて」〈今昔・一九〉
足場2」に同じ。
用水桶を―にひらりと飛び下り」〈伎・鼠小紋東君新形
足場3」に同じ。
「人は芸を以て山の―とし」〈風来六部集・放屁論後編〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の足代の言及

【三好[町]】より

…讃岐山脈南麓,吉野川中流北岸にあり,北は香川県に接する。吉野川に沿う低地は狭く,昼間,足代(あしろ)の主集落は小規模な複合扇状地上に位置する。山地集落では古くから香川県との交流が盛んで,近年まで香川県側へ農耕牛を賃稼ぎに出す借耕(かりこ)牛の習慣があった。…

※「足代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android