火葬墓(読み)かそうぼ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「火葬墓」の意味・わかりやすい解説

火葬墓
かそうぼ

死者を火葬し,遺骨を容器に収納して埋葬した墳墓。火葬は,ヨーロッパでは新石器時代末に始まり,青銅器時代,鉄器時代に広く行なわれた。ギリシア・ローマ時代には火葬,土葬とも行なわれたが,しだいに火葬は行なわれなくなった。火葬の中心はインドで,インダス文明にその証拠がある。仏教徒(→仏教)は特に火葬を行ない,遺灰を容器に入れて安置した。中国では 5世紀初めから火葬の記録があり,唐代には蔵骨器が多数出現する。日本における火葬は,文献では文武4(700)年の僧道昭が最初とされる。考古学資料としては大阪府における火葬古墳(窯槨)の例があり,7世紀初頭から行なわれていたと考えられる。これは新来の渡来人,陶部の工人集団によるものとされ,荼毘に付したのち骨上げする仏教の法式とは異なるものである。8世紀に入ると,僧はもちろん,貴族,地方豪族も火葬されるようになり,天皇も遺詔により火葬を行なうようになった。火葬の採用は死生観を転換させ,以後しだいに古墳の造営が衰えていった。

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世界大百科事典(旧版)内の火葬墓の言及

【墳墓】より

…朝鮮では百済の武寧王陵の墓誌が有名である。日本では奈良時代から平安時代初めにかけて,おもに火葬墓に伴っている。墓室を地下に設け,地上には祠堂を建てるもの(殷の婦好墓)もある。…

※「火葬墓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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