冗(漢字)

普及版 字通 「冗(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

(異体字)
5画

[字音] ジョウ
[字訓] ひま・むだ・わずらわしい

[説文解字]

[字形] 会意
正字はに作り、宀(べん)+儿(じん)。〔説文〕七下に「(ひま)あるなり。宀儿に從ふ。人、屋下に在りて、田事無きなり」とするが、おそらく中に人の坐する形であろう。〔周礼、地官、人〕の職は、外内朝の冗食者の食を供することを掌る。冗食とは、上直するものに給する食事で、冗とは宿直者のことである。これを冗散の意に用いるのは、実務のことでないからであろう。のち冗官・冗漫などの意となる。冗談常談の宛字。上直の意からみて、が本字である。

[訓義]
1. 宿直して坐する形、ひま。
2. むだ、あまる。
3. わずらわしい、みだれる、いそがしい。
4. くどい、いやしい、おろか。
5. なすことなく、さまよう。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕・冗 アマル・カハク・チル 〔字鏡集〕 アマル・カハク・チル・オホシ

[熟語]
冗委・冗・冗員冗厭・冗官・冗言冗齪・冗雑・冗散冗冗・冗食・冗職冗賤・冗長冗蠹・冗費・冗筆冗賦冗複冗泛・冗末・冗漫冗濫・冗流冗猥
[下接語]
愚冗・散冗・賤冗・粗冗・煩冗浮冗濫冗

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報