写実劇(読み)しゃじつげき(その他表記)realistic drama

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「写実劇」の意味・わかりやすい解説

写実劇
しゃじつげき
realistic drama

広くは演劇におけるリアリズムを意味するが,単に演技や演出における誇張や不自然さを排する表面的な再現主義から,人生の真実を追求する H.イプセンの社会劇までも含む。しかも自然主義演劇ほどには「舞台が生活の断片」 (J.ジュリアン) であることに固執しないので,概念を規定することが困難である。「典型的状況における典型的人物を描くことである」 (エンゲルス) という定義もあるが,これでは表現の形式や様式の問題が曖昧である。 B.ブレヒトは,「文学の形式は,芸術論によって決定されるべきではない。リアリズム芸術論といえども例外ではなく,それは一に現実自身の要求に基づいて決定されるべきものである。真実はさまざまな形で抑えつけられているのであるから,それの表現がさまざまな形をとるのは当然である」 (『リアリズム文体の広さと多様性』) と述べた。

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