ジュリアン(読み)じゅりあん(英語表記)Camille Julien

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュリアン」の意味・わかりやすい解説

ジュリアン
じゅりあん
Camille Julien
(1859―1933)

フランスの歴史家、古代史家。とくにフランスの建国に至る、ローマ属領下のガリアの研究で名高い。マルセイユ生まれ。パリに出て、エコール・ノルマル・シュペリュールに入学。歴史学の1級教員資格をとる(1880)。ローマに留学。ついでベルリンへ赴き、モムゼンの指導を受ける。フランスに帰国して、ボルドー大学文学部に奉職。1905年パリのコレージュ・ド・フランスの講座を担当する。24年アカデミー・フランセーズの会員に選ばれた。主著『ガリア史』(8巻)は08~21年の間に刊行された。ほかに『ローマ帝国の地方と都市の行政』(1884)、『ボルドー史』(1895)、『ベルサンジェトリス』(1901)、『ガリアからフランスへ』(1922)がある。

[金澤 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュリアン」の意味・わかりやすい解説

ジュリアン
Julian, George Washington

[生]1817.5.5. インディアナ,センタービル
[没]1899.7.5. インディアナ,アービントン
アメリカの奴隷制廃止論者。 1848年ホイッグ党インディアナ州議会議員。同年自由土地党に属し,「1850年の妥協」に反対。 56年共和党結成参加。 49,60年連邦下院議員。公有地独占に反対し,62年のホームステッド法 (自営農地法) の成立に貢献した。

ジュリアン
Julião, Francisco

[生]1915.2.16. ブラジル,ボンジャルジン
[没]1999.7.10. メキシコ,テポストラン
ブラジルの農民運動指導者。フルネーム Francisco Julião Arruda de Paula。ペルナンブコ州レシフェの法科大学卒業後弁護士となり,1955年にブラジル北東部で農民組合カンポネサス同盟を結成。1964年の軍事政権出現でメキシコに亡命するまで,農民運動の指導者として活躍した。

ジュリアン
Julien, Stanislas

[生]1799
[没]1873
フランスの東洋学者。玄奘の『大唐西域記』の翻訳をはじめ,中国文化の多くの方面に関する著作がある。彼の業績を記念してスタニスラス・ジュリアン賞が設けられた。

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