冷泉津(読み)れいせんつ

日本歴史地名大系 「冷泉津」の解説

冷泉津
れいせんつ

博多の異称。冷泉ともいう。遣明使策彦周良は「冷泉津トハ博多津ノコトソ」(「初渡集」嘉靖一八年一〇月六日条)と記している。語源は不明であるが、近世の地誌は貞応元年(一二二二)に博多で人魚が捕獲され、朝廷に奏聞したところ勅使として冷泉中納言が京都から下向したため、冷泉津と称するようになったとする(「石城志」など)。福岡博多近隣古図など近世の絵図には博多の西側にあった大きな湾入を冷泉津とするものが多いが、近世地誌にはそのような記述はなく、比較的新しい解釈と思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の冷泉津の言及

【博多】より

…筑前国の港町(現,福岡市博多区)。
[古代・中世]
 古くは那津(なのつ),那大津(なのおおつ)と呼ばれ,8世紀中ごろから博多と称され,中世には石城(せきじよう),冷泉津とも別称された。当初は大宰博多津として,大宰府の外港的役割をはたした。…

※「冷泉津」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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