冷薬（読み）ひえぐすり

精選版 日本国語大辞典

ひえ‐ぐすり【冷薬】

〘名〙

① 梅毒の薬。

※雑俳・軽口頓作（1709）「かいにゆく・身があつうなりゃひえ薬」

② (①から転じて) 毒。

※浮世草子・世間手代気質（1730）三「我身に、冷薬(ヒヱグスリ)もるとは知らで」

③ 便秘などに効く薬の名。

※評判記・秘伝書（1655頃）下ほんの事「やまひいでたるときは〈略〉ひへぐすりをのますれば、やがてほんふくす」

れい‐やく【冷薬】

〘名〙 中国の本草学では、薬物の性質として寒熱温涼の四気を規定しているが、このうち寒涼の薬をいう。熱性の病状（体温の高低とは必ずしも一致しない）に対して用いられる。〔文明本節用集（室町中）〕

出典　精選版 日本国語大辞典