国指定史跡ガイド 「出島和蘭商館跡」の解説
でじまおらんだしょうかんあと【出島和蘭商館跡】
長崎県長崎市出島町にある商館跡。日本の鎖国期間中、西欧の文物を摂取する窓口として開かれ、日本の近代化に大きな影響を与えたことなどから、1922年(大正11)に国の史跡に指定。1636年(寛永13)、江戸幕府がキリスト教を布教するポルトガル人を隔離するために造った扇形の人工島だが、1639年(寛永16)の鎖国令によってポルトガル船の来航が禁止されると、1641年(寛永18)、空家となった出島に平戸からオランダ商館を移し、1859年(安政6)までの約220年間、鎖国時代における西洋に開かれたわが国唯一の窓口となった。現在、復元整備計画が進む出島では、島の三方が埋め立てられて島の面影は失ったが、カピタン部屋・乙名部屋・水門をはじめ、復元された建物などが公開されている。出島誕生のいきさつをはじめ、生活品や貿易品、日本と西欧の国際交流の舞台として活躍した往時の姿などを展示している。JR長崎本線長崎駅から長崎電気軌道「出島」下車、徒歩すぐ。