出雲私史(読み)いずもしし

日本歴史地名大系 「出雲私史」の解説

出雲私史
いずもしし

一二巻 桃節山著

成立 文久二年

解説 藩による正史編纂がなかった松江藩において、それに代わる正史ともいうべき書。明治以前の出雲の歴史が記述されている。本文は漢文体で、神代から平安末期までを一巻の首部で略述し、以後佐々木氏に始まる出雲国歴代の為政者を「日本外史」に倣って氏別に各巻で記述して通史としている。著者は松江藩の儒臣で、桃家は代々藩儒として仕え、節山は五代目にあたる。割注に儒臣としての学識見解がうかがえ、実証的な本書の信頼性は高い。

活字本 明治二五年に和綴本で刊行され、大正三年には平易な書下文で刊行された。昭和四七年書下文のものが複刻され、頭注に年号末尾人名索引が加えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android