函谷鉾町(読み)かんこぼこちよう

日本歴史地名大系 「函谷鉾町」の解説

函谷鉾町
かんこぼこちよう

下京区四条通烏丸西入

東西に通る四条通(旧四条大路)を挟む両側町。

平安京の条坊では左京四条三坊三保一二町南側及び同五条三坊四保九町北側、平安中期以降は四条室町小路東の地。永和二年(一三七六)の大山崎住京新加神人等被放札注文(大山崎離宮八幡宮文書)によると、「一所、四条烏丸西北頬 宗円」「一所、四条烏丸西北頬 宗光」とあり、当町北つら油商人が住している。応永三二年(一四二五)酒屋交名(北野天満宮史料)には「石見 四条室町東北頬 貞実在判」「弥次郎入道 四条室町東南頬 清給在判」とあり、二軒の酒屋が営まれている。

「祇園会山ほこの次第」(祇園社記)に、応仁の乱前の前祭さきのまつり分として「かんこくほく 四条烏丸と室町間」とあり、当町から函谷鉾が出された。年紀は不詳ながら乱後の状況を記した「ほくの次第」(同書)に「四条烏丸室町間 ほく」とあって、祇園会再興後も鉾を出し、現在も函谷鉾の巡行がなされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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