刀環(読み)とうかん

精選版 日本国語大辞典 「刀環」の意味・読み・例文・類語

とう‐かんタウクヮン【刀環】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 刀のつかにつけた環。また、漢の李陵匈奴に捕われていたとき、霍光らが匈奴に至り、酒席で李陵に目くばせをしながら刀環をまわし、「環」を同音の「還」にかけて、漢に帰還することをうながしたという「漢書‐李陵伝」に見える故事から、故郷にかえること。望郷の思い。
    1. [初出の実例]「一別刀環那可期、東荒自古羽山悲」(出典:徂徠集(1735‐40)七・擬送人謫羽州)
    2. [その他の文献]〔高適‐入昌松東界山行詩〕
  3. 頭に環のある刀銭。〔漢書‐食貨志・下〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「刀環」の読み・字形・画数・意味

【刀環】とうかん(たうくわん)

刀の柄頭の飾り。〔漢書、李陵伝〕(陵の故人、漢使)立等、陵を見るも、未だ私語するを得ず。目して陵を、數數(しばしば)自ら其の刀を循(な)で、其の足を握り、陰(ひそ)かに之れに(さと)し、歸すべきことを言ふ。

字通「刀」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android