包丁形をした、中国、春秋戦国時代の青銅貨幣。刀銭の名称は、その形が「刀子(とうす)」とよばれる刃物の形を写していることにある。刀貨、刀幣も同じ意味。刀銭は燕(えん)、斉(せい)、趙(ちょう)、魏(ぎ)で鋳造されたが、流通地域はかなりの広がりをもっている。形と銘のうえから、尖首刀(せんしゅとう)(燕)、明刀(めいとう)銭(燕、斉、趙)、斉刀(せいとう)(斉)、円首刀(趙)、方首刀(魏)の5種に大別される。尖首刀はその名の示すとおり先端の尖(とが)った刀銭で、もっとも早く春秋時代に鋳造されたと考えられる。明刀銭は「明」の字の形によって3種に分けられるが、明刀第一類、第二類が古く、第三類が新しいと考えられている。第三類は戦国時代から漢代に至るまで流通したと考えられ、出土量がもっとも多い。また斉刀は尖首刀の影響下に斉の領域で戦国時代初期に鋳造されたもので、「斉之法化」「即墨之法化」などの銘がみられる。
[飯島武次]
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刀貨ともいう。刀子(とうす)の形をした中国古代の青銅貨幣。布銭よりやや遅れて現れ,ほぼ戦国時代を通じて用いられた。燕の明刀(めいとう),斉の斉刀(せいとう)が名高く,主として河北,山東を中心に流通した。
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…中国,春秋戦国時代に主として黄河下流域で流通した小刀形の貨幣の総称。刀銭ともいう。普通,流通地域によって明刀と斉刀に大別する。…
…中国古代の刀形貨幣(刀貨)の一種で,戦国時代の燕国で通用した銅貨。春秋時代に山東半島を支配した斉国で刀子(とうす)の形を青銅で鋳造した刀銭がおこり,北京を中心とする燕国に伝わったものとされている。燕国の刀銭は刀身に〈明〉に似た文字を鋳出していることから,俗に明刀銭とよばれている。…
※「刀銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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