分子内座標(読み)ブンシナイザヒョウ

化学辞典 第2版 「分子内座標」の解説

分子内座標
ブンシナイザヒョウ
internal coordinate

分子内の振動運動を記述するときにもっとも広く用いられる座標の取り方で,結合原子対の間隔原子価角,および結合軸のまわりのねじれの角などの平衡値からのずれの大きさが一般に用いられる.振動スペクトルの個々の振動数や振動モード,力の定数などとの力学的対応をつけやすく,また,これらについて異なる分子間で比較しやすい点でも,通常の直交座標などに比べてはるかにすぐれている.この座標系で記述した振動運動の運動方程式から基準振動を求める方法として,E.B. Wilsonが考案したGF行列法が知られている.伸縮振動変角振動ねじれ振動などの考えも,この座標を用いるともっとも明瞭となる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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