刑部御厨(読み)おさかべのみくりや

日本歴史地名大系 「刑部御厨」の解説

刑部御厨
おさかべのみくりや

現細江町の中川なかがわ西部から広岡ひろおかを含む一帯に比定される伊勢神宮領。建久三年(一一九二)八月に作成された伊勢神宮神領注文写(神宮雑書)によれば、嘉承三年(一一〇八)の注文、永久三年(一一一五)宣旨に当御厨の名がみえるといい、遅くとも一二世紀初頭には成立していたらしい。建久三年時には内宮(皇大神宮)・外宮(豊受大神宮)二宮を本所とし、給主は散位大中臣親範らであった。「神鳳鈔」によれば一〇〇余丁の規模で、内宮に上分三〇石と魚三〇斤、外宮に上分三石を納めていたという。なお延応元年(一二三九)一二月二五日に天台座主尊性法親王から尊守法親王への相伝が認められた家領の一つに当御厨の名がみえる(「四条天皇宣旨写」華頂要略)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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