初生寺(読み)はじようじ

日本歴史地名大系 「初生寺」の解説

初生寺
はじようじ

[現在地名]榛原町大字自明

初生川上流東方に所在。竜起山慈明じみよう院と号し、真言宗御室派。本尊千手観音立像。「大和志」に「自明村属邑初生うふす有福島孝治織田常真書簡」とある。寺伝によれば天平年中(七二九―七四九)行基が開き、弘仁年中(八一〇―八二四)に空海が再興。中世乱世に坊舎はことごとく焼失したが、本堂のみ残り、本瓦葺を天文一〇年(一五四一)に改修、慶長年間(一五九六―一六一五)に福島高晴より屋根・茶園などを寄進され、織田常真が貞享四年(一六八七)に本堂を再建した由がみえる。天文一〇年の棟札に「始生寺本堂昔本瓦葺也于然及大破既破滅之間只今棟上鎧葺造立之畢 大檀那藤原泰久 時番匠大工法隆寺平朝臣次郎大夫宗次 天文十年辛丑十一月廿八日」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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