ツルマンリョウ（読み）つるまんりょう

日本大百科全書(ニッポニカ)

ツルマンリョウ
つるまんりょう / 蔓万両
[学] Myrsine stolonifera (Koidz.) Walker

ヤブコウジ科（APG分類：サクラソウ科）の常緑低木。幹は地上をはい、斜め上に伸び長さ0.5～1メートル。葉は互生し、長楕円(ちょうだえん)形で長さ5～9センチメートル、やや革質で光沢があり、裏面に腺点(せんてん)がある。雌雄異株。6～7月、緑白色の小花を開く。花冠は深く5裂する。果実は小球形で赤く熟す。名は、つる性のマンリョウの意味で、果実の色からツルアカミノキ（蔓赤実木）の名もある。奈良県、山口県、屋久(やく)島、および中国に隔離分布する。ツルマンリョウ属は亜熱帯、熱帯に145種ほどある。

［小林義雄　2021年3月22日］

　奈良県東吉野村と山口県山口市の自生地は国の天然記念物に指定されている。

［編集部　2021年3月22日］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内のツルマンリョウの言及

【タイミンタチバナ】より

…材木として枕木，垂木に，また木炭にされる。　本種に近縁で高さ約50cmの赤い実をつけるツルマンリョウM.stolonifera (Koidz.) Walkerが日本(山口，奈良，屋久島)，台湾，中国に分布する。【初島 住彦】。…

※「ツルマンリョウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」