出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…(4)密教画 密教画の主流は曼荼羅である。総合曼荼羅としての胎蔵界,金剛界の両界曼荼羅は重要修法に,両界曼荼羅中の個別の尊像を主尊とする各種の別尊曼荼羅は修法の本尊として用いられる。また別尊曼荼羅の主尊が独立し,修法の本尊として如来,菩薩,明王,天などの各種密教像が作られた。…
…三十三身観音や梵天,帝釈(たいしやく)天,毘沙門(びしやもん)天,八部衆や陀羅尼をはじめ,多面多臂像が散見されるようになり,密教的要素がみえはじめる。5世紀中ごろ~6世紀末の訳経には,七重界の大壇を築く結呪界法が初出し,ヒンドゥー教の影響をうけた諸尊も出現しはじめ,6世紀前半梁代の訳《牟梨曼荼羅呪経》では根本の三印呪や壇場の作法が整備され,壇の中心に本尊をおさめ,これをめぐる眷属(けんぞく)像の描き方を記す〈画像法〉が現れるが,これは別尊曼荼羅の起源でもある。また忿怒(ふんぬ)の多面多臂像や,護摩をたく火炉,増益(方),息災(円),降伏(三角)などもみられる。…
※「別尊曼荼羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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