別府山(読み)べふやま

日本歴史地名大系 「別府山」の解説

別府山
べふやま

仁淀川上流、土予国境にある旧高岡郡の山間諸村を中世近世に別府山(別符山)と総称した。北と西は仁淀川を境に吾川あがわ郡に対し、南は鶴松森かくしようもり(一一〇〇メートル)から東西に延びる一〇〇〇メートル級の山々によって半山はやま(現葉山村)および津野山つのやま(現東津野村など)と境する。西は伊予浮穴うけな郡。

日下くさか(現日高村)小村おむら神社の仁治元年(一二四〇)の棟札(南路志)に「於御材木者別府山・吾河山」とみえる。三冊からなる別府山の天正一七年(一五八九)の地検帳によると、別符山は西森にしもり別枝べつし久喜くき野老山ところやま大平おおひらの五名からなり、総地積七四町二反余で、別に切畑三九二町七反余があり、すべて黒岩くろいわ(現佐川町)城主片岡氏の所領であった。西森名・別枝名は現仁淀村のほぼ全域、久喜名は現吾川郡吾川村と仁淀村大蕨おおわらび、野老山名・大平名は現越知おち町西半部にあたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の別府山の言及

【仁淀[村]】より

…村域のほとんどが急峻な山地である。中世から近世にかけて高岡郡北東部山間は別府(符)山(べふやま)と総称されたが,村域はそのうちの西森名,別枝名の地にあたる。江戸時代は土佐藩家老深尾氏の知行地で,紙,茶などの山間特産物に対する統制と徴集は厳しく,一揆や騒動が起こっている。…

※「別府山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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