別里(読み)わけのさと

日本歴史地名大系 「別里」の解説

別里
わけのさと

「日本霊異記」下巻の「賤しき沙弥の乞食を刑罰して、現に頓に悪死の報を得る縁」に「紀直吉足は紀伊の国日高の郡別の里の椅の家長の公なり」とみえる。その場所について「続風土記」は、別里に「別寺」と称する寺があったことが同説話中にみえることから、同時代の寺としては道成どうじよう寺以外には考えられないとして、道成寺付近に比定する。また「紀伊名所図会」は「其地今詳ならず」としながらも道成寺の次に別里の項を載せる。だが「大日本地名辞書」は和田わだ(現美浜町)かとし、さらに「小字本脇あり」としている。

「日本霊異記」の記述から別里をどこと決定することは困難であるが、古代の寺は瓦葺で七堂伽藍を備えたものであったから、この地方でそのような寺は白鳳期の瓦の出土する道成寺以外には考えられない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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