別願寺(読み)べつがんじ

日本歴史地名大系 「別願寺」の解説

別願寺
べつがんじ

[現在地名]鎌倉市大町一丁目

安養あんよう院の近く、北側きたがわにある。時宗、稲荷山超世院と号する。開山覚阿公忍、本尊阿弥陀如来。もと藤沢の清浄光しようじようこう寺末。「風土記稿」によると、もとは能成のうじよう寺という真言宗の寺であったが、弘安五年(一二八二)住僧公忍が一遍に帰依して改宗、寺号も別願寺とし、自身も覚阿と改名したという。

永徳二年(一三八二)一〇月二九日、関東公方足利氏満は父基氏の菩提のために下総国相馬そうま御厨内横須賀よこすか(現茨城県利根町)を、明徳二年(一三九一)九月八日には下野国薬師寺やくしじ庄半分を寄進(ともに「足利氏満寄進状」県史三)、応永一三年(一四〇六)五月一二日には子の満兼も名越の報恩なごえのほうおん寺敷地と山林を寄進(「関東公方足利満兼寄進状」同書)、同二七年二月一九日には持氏が父満兼の菩提のために当寺門前畠などを寄進している(「関東公方足利持氏寄進状」同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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